スーサンの清掃記06<災のはなし>

 [災]:巛と火を組み合わせた形。巛は水流がふさがれてあふれ流れること。水害、洪水のわざわいをいう。それに火を加え、のちに水災・火災だけではなく、すべての「わざわい」のことをいう。

 日々、清掃していると、さまざまなトラブルに遭遇する。
早朝の3時間ほどで清掃作業を終えるためには、かなりのスピードで動かなければならない。そのため、手首、足首、指、腰などにかなりの負担がかかってくる。私の場合、右手の薬指が曲がったまま開かなくなった。バネ指の症状が出てしまった。作業の後で指のストレッチをしたりしたが、けっきょく、治るまでには約1年ほどの時間がかかってしまった。

 作業に従事しているスタッフのほとんどは高齢者だ。それぞれ腰痛や肩痛を持ちながら仕事にあたっている。私の場合は、日々の仕事のあと、屈伸、跳躍、ランニングなどの運動、ストレッチなどをして、体力を保つ工夫をしている。
 その他に、偶然のアクシデントで、机や椅子にぶつけたりして、足首や肩を痛めたりすることがある。反射神経を鍛えたりして、細心の注意をして作業をしている。

 私が担当している施設には、児童館、福祉事務所、福祉協議会、成年後見センターなどの施設がある。足の不自由な人、見るからに職業がわかってしまうような親子連れ、異常に声が大きい女性など、さまざまな人の出入りがある。子供のオシッコはまだいいが、失禁する人、トイレを汚す人、ゴミを捨てる人、などなど。清掃が仕事なのだから当然だが、いろいろなトラブルがある。

 台風シーズンは水漏れや水あふれ、秋のぬれた落ち葉のそうじ、冬は突然訪れるたいへんな雪かき作業など、一年中、季節によっていろんなトラブルがやってくる。