スーサンの清掃記02<鍵のはなし>

 [鍵]:旁は「建」、鼎:かなえ(祭器として使用された青銅器)の耳の輪の形。また、車輪の脱輪防止のための「くさび」のこと。/楗:かんのき(閂、かんぬきのこと。門の戸を閉める横木を縦にしてとざすもの)と通じて金具の「かぎ」の意味に用いられる。

 近年は、オフィスビルや官公庁などの建物はたいてい警備会社にセキュリティー警備を依頼し、不審者の侵入、火災などの煙の感知、排水の溢れの感知など、異常事態への対応をしている。そして、ビル全体を警備する警備員と建物設備の管理作業員、清掃を担当してる作業員などが日々建物の保守管理をしている。
 清掃員は朝、出勤して、まずカードキーで各階のセキュリティーのロック解除をすることから仕事が始まる。そして、各部屋のカギを開けてから清掃に取りかかる。仕事が終了したら各部屋を施錠して、再度セキュリティーをロックするのが一連の流れになっている。したがって、仕事の前にカードキーやロックキーの管理が大切になっている。

 錠前とカギにはいろんなタイプのものがある。一般的なシリンダー錠、ICコードが書き込まれたカードキー方式、錠前にボタンがありパスワードを押して解錠する方式、最近では指紋認証で解錠するカギも登場しているようだ。しかし、問題もいろいろあるようだ。指紋はあちこちに残るかもしれない。指紋を盗まれる可能性はないのだろうか?街の銀行やネット銀行ではIDやパスワードが無いと現金はおろせないし、ネットショップでも買い物はできない。トラブル防止のため、それぞれパスワードを変えることが推奨されている。しかし、たくさんのパスワードは覚えきれない。最近はパスワードを管理するソフトウェアーに頼らなければならず、かえって不便な時代になっている。

 私の担当している建物は、各階ですべての部屋を解錠できるマスターキーを使用している。もしカギを紛失したとすると、その階すべての部屋のカギを交換しなければならない。その費用は数十万円になってしまい損害は大変なことになる。私の職場では、アナログな方法だが、カギを持ち出したときには管理ノートにチェックを入れておき、カギを戻したら返却チェックを入れて管理している。もっと厳格に管理している現場もあると思う。返却忘れがないよう、しっかりとしたシステムを準備しておくことが重要だ。
 カギは、落とすことのないように、しっかりとしたポケットの同じ場所に入れておく、キーホルダーなどを使って作業服に取り付けておく、などの安全策を工夫した方が良いだろう。