スーサンの清掃記03<清のはなし>

 [清]:音は靑(せい)靑は丹を材料として作られる青色である。その色調は清らかなもの、静かなものを感じさせるもので、水が澄むことから水が澄むことから「きよらか、きよめる、あきらか」の意味に用いられる。

 清掃員の毎日の仕事は、社員さんや職員さんが出勤の時間までに掃除を終了しなければならない。朝の3時間ほどは忙しい仕事になる。私の担当は児童館だ。体育室、図書室、幼児室、集会室、図工室、事務室、などの清掃をしている。

 まず、部屋を解錠してゴミの回収。30リットル、45リットル、70リットルなどのゴミ袋につめてゴミの分別作業。
 床面のバキューム掃除機がけ。掃除機の吸込みダクトはふつう前後に動かしながらゴミを吸取っていく。さらにスピードアップするために前後と同時に左右に振りながら吸取っていく。バキューム掃除機がけは、かなりのスピードで吸込みダクトを振るので手首を痛めやすい。吸込みダクトを持つ左手は順手で持ったり逆手に持ち替えたりして、怪我予防のために工夫しながら掃除機がけをしている。

 その後、フローリングの床は、大型のフロアーモップやダスタークロスで細かいチリを拭き取っていく。土足で汚れの激しいデッキフロアーなどは、少しぬれたモップで拭き掃除。部屋の掃除の後は、酸性トイレ用洗剤や、クレンザーなどで男女便器の清掃。洗面台と鏡、床の清掃。そしてタオルの交換、手洗い用洗剤、ロールペーパーの補充などをする。最後に、使用したモップ、タオル、ダスタークロス、ゴム手袋などの洗濯乾燥をする。

 その他の午前中の作業は、屋上庭園の水まき作業。階段をハンディークリーナーで掃除。階段手すり拭き、などがある。午後の作業は各階のお弁当などのゴミの回収、給湯室の生ゴミの回収と清掃、トイレ洗面台清掃、ロールペーパーの補充など。

 こうして振り返ってみると、かなり忙しい仕事だと思われるだろう。しかし、実際にはたいてい70歳以上のスタッフが仕事をこなしている。少し慣れれば、体力的にはそんなにきつい仕事ではない。しかも待ち時間が多い仕事でもある。
 清掃の目的は床面やトイレなどの設備をきれいに保つこと。ところが、設備は時が経てば経年変化による劣化はしかたがない。限られた時間内ですべてを完璧に清掃することは不可能だ。ゴミが落ちていないことはもちろんだが、汚れが目立つところを重点的に清掃することで、汚れを平均化することが最善の仕事ではなないだろうか。